いつもハートニットを陰で支えて下さっている東北ヘルプ(キリスト教の宗派を越えての震災支援団体)から、全国の教会に配布される今年度のニュースレターが送られてきました。
今年の表紙は、ノルウエー王国大使館にお呼ばれ頂いた際のハートニットの写真が使われました。

東北ヘルプ表紙 1
東北ヘルプ1東北ヘルプ2

記事内容は以下です。
震災直後から、私たちと一緒に支援活動をしてくださっている「ハートニット・プロジェクト」の皆さまに、ノルウェー王国大使館にて行なわれた「ARNE&CARLOS クリスマスボール翻訳書 出版記念会」主催者のノルデックカルチャージャパン社から、ご招待状が届きました。プロジェクトを担ってくださっているお一人・高橋さんが、その様子をご報告くださいましたので、以下にご紹介申し上げます。
                            東北へルプ事務局長 川上直哉

「ARNE&CARLOS クリスマスボール翻訳書 出版記念会」に参加して
                        ハートニット・プロジェクト 高橋洋子

一昨年のクリスマス、このニュースレターで、「クリスマスボール」という北欧伝統の素敵なクリスマスオーナメントについて、ご紹介いたしました。ARNE&CARLOSという世界的なデザイナーのお二人は、新しくハートニットのオリジナルのデザイン考案・作成もしてくださり、制作・販売を私たちに託して、被災地への思いを形にしてくださいました。編み物は言葉を超え、教えたり教わったりできること。国境を超えて、編むことで心が落ち着き、心癒されるということ。そうしたことを教えられた出来事でした。お二人は仮設住宅を訪問してくださり、アミマーさんたちに素敵な夢と大きな希望を与えて下さいました。そして、クリスマスボールを編むための毛糸を、全国の皆様が寄附してくださいました。そうして毎年、多くの方々の愛が込められたクリスマスボールが生み出されることになったのでした。

以上の出来事から2年目を迎えた昨年の10月のこと。ノデックカルチャージャパン社から、「ARNE&CARLOS」が、12月4日のクリスマスボール翻訳書の出版記念のために来日するので、ハートニットさんも是非出席をしてほしい、という案内を頂きました。とても有難いお話と思い、仲間と参加して参りました。
広尾駅から5分程歩いたところに、大きな塀に囲まれたノルウェー王国大使館がありました。一歩踏み込むとそこはまるで別世界でした。そこに「ARNE&CARLOS」のお二人が入場されると、100人程いたでしょうか皆さんから大きな拍手が沸き起こりました。4度目の来日ということで、ノルウェー王国大使館の方からの「お帰りなさい!」という歓迎の挨拶で、記念会は始まりました。
お二人の住まい・アトリエは、古い国鉄の駅、とのことです。そこが、ガーデニングなども楽しみながら手作りで素敵なアトリエとなるまでの様子を、30枚程の写真を用いて、まず、説明してくださいました。参加者は吸い込まれるように聞き入りました。
ニットデザインに専念すべきと悟るまでに5年という月日を要し、2002年に自分たちのファッションブランド「ARNE&CARLOS」をたちあげたとのことを、私たちは印象深くお伺いしました。デザインするときはまず、既存のニット製品にまつわる膨大な情報からインスピレーションを得て、自分たちの世界を作りだすものだそうだそうです。しかし、既成のニット製品では自分たちの世界観を十分お見せできないと気づき、そして、まったく新しい手編みのためのレシピを展開していく事にした、とのことでした。そして、北欧の模様や伝統柄にインスピレーションを得て出来上がった55種類のデザインのクリスマスボールについて、お二人は楽しくジョークをまじえながら説明してくださいました。
その後「ARNE&CARLOS」さんたちとお話ができる宴が設けられていました。
私たちは、手作りした「花束をもったニット子ちゃん{ハートニットのマスコット}」を額にいれ、ちょっとお茶目なプレゼントを片手に、ドキドキしながらご挨拶に伺いました。クリスマスボールの制作・販売に関してのお礼と、今のアミマーさんたちの様子を伝え、プレゼントを手渡しました。お2人は興味深く話を聞いて下さり、手作りのプレゼントをとても喜んでくださいました。
まるでノルウェーを旅した気分を味わい、とても温かな空気に包まれた、あっという間の2時間でした。発足当時からボランティアとして活動してきた4年間が私の頭の中を駆け巡りました。ハートニットのスローガン『ニットでハートをつなごう!』が一歩一歩形になっていることを実感しました。と同時にハートニットに関わらせて頂いてきたことに改めて感謝の気持ちと幸せを感じました。
こうした経験ができたのも、ここまで続けてこられたのも、一重に皆様のご支援の賜物と心より、心より感謝申し上げ、報告を終わります。