新聞が読みにくかったと思います。
http://www.morioka-times.com/news/2018/1807/14/18071401.htm
WEBからコピーペーストしました。

東日本大震災の被災者に毛糸を届け、編み上がった作品を販売して代金を還元する「ハートニットプロジェクト」(村上祐子代表)が転機を迎えている。活動に注目した大手アパレルブランドなどが、被災地の編み手の実力を認め、商品の製作を依頼するケースが増加。被災者が仕事として請け負う体制が整ってきたため、ボランティアとしてのプロジェクトは発展的に解散へ向かうことにした。避難所で過ごす女性たちに、編み物キットを贈るボランティアからスタートした活動は、手仕事による自立へ道筋を付け、一つの役割を終える。

  ハートニットの製品は、国内外から届く寄付の毛糸を材料に、沿岸各地や盛岡で暮らす被災者、ボランティアが手編みで作る。盛岡市内のプロジェクト事務局では、編み物講師や主婦らが毛糸の仕分け、配送、製品の販売などをボランティアで担い、活動を支えてきた。

  ピーク時には100人ほどの編み手(アミマー)を抱えていたが、現在は40人ほど。編み物好きで仕事としても続けられる力のある人が残っているという。イベントなどでの販売会はこれまで439会場(延べ901日)で実施、売り上げは5260万円を超える。プロジェクトの運営費はボランティアが編んだ商品の売り上げなどから捻出、被災者には商品代金を全て還元している。編み物講師がプロの目で、売れる商品のデザインを考えアドバイス。助成金に頼らずとも収支が合うよう努力してきたことが成果につながった。

  編み手の高い技術は、国内外の一流企業にも認められるようになり現在、英国のアパレルブランド・マーガレットハウエルや帽子製造販売では国内一のシェアがあるCA4LA(カシラ)、山形県寒河江市の佐藤繊維など7企業と協力関係にある。メーカーから編み手に直接、製品の作製依頼も舞い込むようになり、被災地支援としてのボランティア活動は終えるめどが立った。

  中には「ハートニット」のブランド名と被災地支援の物語を、そのまま継承する意向を示しているメーカーもある。プロジェクト事務局の松ノ木和子さん(66)は「被災した方々の心の隙間を埋めたい、少しでも役に立ちたいと始めた活動が、多くの人の縁に恵まれ、ここまできた」と感謝。「全国的に災害が多発する中、活動のノウハウを別の被災地や後世にも引き継いでいければ」と願う。

  バザーでの製品の販売は年内で終了し、その後は、編み手とメーカーの橋渡し役など被災者の自立に向けた支援に力を注ぐ。ボランティアスタッフの福地ひとみさん(33)も「たくさん失敗もあったが、アミマーさんたちに励まされ、こちらが元気をもらった。やってきて良かった」と振り返った。

  プロジェクト当初から編み手として活躍し、メーカーからの発注にも応えるようになった山田町飯豊の吉田冨子さん(72)は「ここまで支えてくれた盛岡の皆さんには本当に感謝している。仕事がなければ一日の張り合いもない。サンプル通りの製品を編む難しさもあるが、企業に認められるような仕事をしていきたい」と語った。

  ボランティアが関わるハートニットプロジェクトの出展としては最後になる、第10回手しごと絆フェアは19日から23日まで、盛岡市菜園1丁目のパルクアベニューカワトクで開かれる。